「うたうシンピアニズム」管理人:とっきーです。
とっきー@ピアノ・シンセ見習い (@Tokky9091) | Twitter
今回はある機材のお話をします。
こちら☟
リズムマシンです。
はっきり言って、生ドラムの音は出ません。テクノ等ジャンルが限定される「一点特化型」のマシンと言えます。
なかなか特徴的でおもしろい機材なので、ちょっとご紹介していきたいと思います。
Electribeって?
記事冒頭の写真をご覧になった方で「ん?Electribeってこんなんだったっけ?」と思った方がおられると思いますが、それは間違いではありません。実は、僕の所有している物は『初代』Electribeなのです。
現行機はこんなかんじです☟
現行機は触ったことがないのでよくわかりませんが、けっこうとんでもないことになっていますね。
1台でメロディーもベースラインもビートメイクもできてしまう、パッドでリアルタイムにエフェクトをコントロールできる、USBでPCとも連携出来て、価格も3万を切るという…欲しいな(笑)姉妹品でサンプラーも出ています☟
こんな風に、現行機は1台でいろんなことができてしまいますが、僕の所有する初代はそうではありません。
Electribeは、年代によって機材のコンセプトがかなり違ってきます。
初代Electribeシリーズは、前述のとおり1台で完結する機材ではありません。各機種が「一芸に秀でて」いるわけです。
リズム、シンセリード・シンセベース、サンプラー、シーケンサーとそれぞれ得意分野に特化して1台ずつ販売されました。まとめると
Electribe-A…シンセリード・シンセベース
Electribe-S…サンプラー
Electribe-M…シーケンサー
となります。
この中では、Electribe-Mはシーケンサーを内蔵しており、比較的1台で完結できると思いますが、R,A,Sは他の機材(Electribeシリーズ含む)と組み合わせて使うのが前提となってきます。
初代のElectribeが世に出た時代背景にも触れておきます。
80年代にアメリカでデトロイトテクノが発祥、90年代には日本でもテクノを主戦場とするアーティストが多く世に出てきた頃でした。そんな中、1996年にローランドのMC-303というリズムマシンが発売され、その流れからGroove Boxタイプのシンセが広まっていました。KORGでも、この流れに乗りGroove Boxの開発が進められ世に出たのがElectribeシリーズでした。
Roland MC-303
機能もさることながら、価格が抑えめに設定されていたことも初代Electribeシリーズの強みでした。他社のGroove Boxはオールインワンの機能があるという点はありますが、MC-303の定価が¥58,000だったのに対し、Electribeは定価が各機¥40,000を下回るという安さでした(※発売時の正確な値段が分かりませんでした。ご存じの方はお知らせください)。
Electribe-Rの特徴と特長
さて、それではElectribe-Rに絞ってお話ししていきます。
特徴としては、端的には下記のとおりです。
1999年発売。バーチャルアナログ音源を搭載し、ドラムやパーカッションなどに特化した音作り可能なリズムマシン。音色のエディット幅が広い為、SEなどの作成にも効果を発揮する。
コルグ・ELECTRIBEシリーズ - Wikipedia
当時は「バーチャルアナログ音源」というのが出始めた頃だったのでアドバンテージになっていたようです。オールインワンでなく単体機として出したところが、当時としてはやはり画期的だったのではないでしょうか。
Electribe-Rの特長としては、以下が挙げられます。
②極力機能を絞ったインターフェイス
③外部音源を取り入れて独創的な音を出せる
一言で言ってしまうと
「けっこう手軽に変な音が作れる」
ということです。
①で言うと、つまみをグリグリ動かすだけで音色がどんどん変わっていきます。つまみが何を意味しているかとかわからなくても、さわれば音の変化が分かるので楽しいです。
ちょっとした動画を撮ってみました☟
どうでしょうか?音楽機材のことがわからなくても、結構楽しい感じがしませんか?
音楽としてでなくても「面白い音を出す」ことだけに使うというのもいい感じです。
②もともとリズムマシンに特化した作りであり「長く伸びる音」が本機では出せません。ですので機能もとてもシンプルです。しばらく触っていれば感覚的に操作方法が理解できてきます。
③はまだ試していないので、機会があればこの事も紹介していきたいですね。
使用感
外部音源と接続すれば、本機の能力がより引き出されます。
と言うわけで、Roland FA06とつないで音を出してみようと思います。
この動画じゃ、肝心のElectribeの音が聞こえません。やっちまったなぁ~…
演奏させたら、ボタンがピカピカ光るんだな、て分かってもらえればいいかと(笑)
こんな風に、Electribeの方を鳴らしっぱなしにしてシンセ弾いてもいいし、シンセのシーケンサーを走らせながらElectribeのつまみグリグリしてもいいし、その両方でもいいし、
とにかく触ってて楽しい機材です。
おまけに
ここまで紹介してきましたが、今はこのElectribe-RがiPhoneのアプリで操作できてしまいます(笑)
正確には、後継機種のELECTRIBE・R mk-IIをアプリで再現したものになります。
じゃあこっちでいいじゃん!てなるのですが、いやちょっと待った!
iPhoneの音楽アプリはみんなそうですが、とにかく画面がちっちゃいので操作性に難があります。また、やはりこの手の機材はつまみをグリグリするところに醍醐味があるのではないか?と僕なんかは思います。
この操作性で満足できるのであれば買いなんですが、そうでなければ僕はやはり実機をおすすめしますね。
もう20年前の機材なので、初代Electribeはすべて生産終了しています。手に入れるなら中古市場を漁る、と言うことになります。中古相場は1~2万というところでしょうか。当時大人気だったために弾数もそこそこあるので、この記事で興味を持たれた方は一度購入を検討されてはいかがでしょうか?
Electribe-Mに関しては、中古市場でもあまり出回ってないみたいですね…
いかがだったでしょうか?
作曲に使うもよし、音楽に合わせてグリグリするもよし、変な音ばっかり作るのもよし、いろんな使い方が手軽にできる面白い機材です。
ちょっと長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後にもうひとつ…
「やっぱり現行機の方がよくね?」
と言う方もいらっしゃるかと。まぁ、僕も欲しいなと思うくらいですし(笑)
と言うことで、現行機のリンクもつくっておきます。