ハーフシャドウのジャケットが印象的なセカンドアルバム「With the Beatles 」
日本のファンには「ミート・ザ・ビートルズ」の方がお馴染み…なんて話はもうほとんどの人がわかんないんじゃないかな、と(笑)簡単に説明すると、「ミート〜」は、ビートルズのアメリカでのデビューアルバムなんです。本国イギリスとアメリカではレコード販売会社が別で、アメリカ独自の編集で売っていたわけです。ちなみに、ジャケットはこんな感じです↓
ま、おなじ写真なんですけどよく見ると少し青みがかっているというか…
あと、「I want to hold your hand」が入ってるのは、当時のファンからすると大きかったんじゃないでしょうか。ビートルズは基本的にシングル発表曲はアルバムに収録しないという方針だったみたいです。他、「With〜」に入っているカバー曲はほぼごっそりカットされてますね。
閑話休題
以降はあくまで「With〜」の話をさせていただきます。
このアルバムのトピックとしましては、
- 前作「Please please me」のレコーディングは1日で終えたが、今作は3ヶ月の期間に7回のセッションを行い製作されている。
- 有名なジャケット写真について、当初メンバーは「タイトルやバンド名の表記なし」を要望したが、レコード会社に却下されている。
- 14曲の内訳は、レノン=マッカートニー作が7曲、ジョージ作が1曲、カバーが6曲。なお、今作はジョージ作の曲が収録された初のアルバム。
やはりジャケットのインパクトが強いアルバムですが、ジャケット同様曲のラインナップもシブいです。
「With the Beatles」
1,It Won't Be Long★★★★☆
シングル「She loves you」と同じく「yeah!」のコーラスが入る曲。この時期のビートルズの特徴ですね。「She〜」よりこの曲の方が録音が1日早い、と言うのを今回初めて知りました。こっちが後かと思ってた…この曲の方がコーラスの入れ方も凝っているな、と思っていたので。
2,All I've Got To Do★★★☆☆
このアルバムの「シブさ」を象徴している曲と思っています。曲作りで参考にしたミュージシャンのひとりがスモーキー=ロビンソン…名前からしてシブい(笑)カラオケでぜひ歌ってみてください。気分がかなり大人になります。
3,All My Loving★★★★☆
ジョン曰く「悔しいほど良い曲」。だからなのか、ギターカッティングが凄いことに…あの3連カッティングはやっぱりジョンのアイデアなんでしょうね。聞きなれてるから当たり前に思ってしまうけど、よーあんなの思いつくな。僕がギタリストだったなら、思いついたとしても「いや、無理、弾けない」て辞退しそう(笑)
ポップなのに哀愁ある曲。さすがビートルズ(というかポール?)、ただの明るい歌では終わらせない。
4,Don't Bother Me★★☆☆☆
ジョージが作った曲がアルバム初収録!なんかどことなーくつかみどころのない曲で、以降しばらくこんな感じが続きます(笑)別に悪いこともないんだけど、うーん。
5,Little Child★★★☆☆
これ、カラオケでなんか歌いやすいなーと思ったら、元々はリンゴ向けに書いた曲だったそうな。ジョンの歌い方もそれっぽいよな、そういや。ロックンロールって感じじゃないけど、ノリが良くて好きな曲。
6,Till There Was You★★★☆☆
「蜜の味」は好きじゃないけど、これは好き。間奏のギターを聴く限り、ジョージのギターがヘタ、という意見にはやはり首を傾げざるを得ない…
7,Please Mister Postman★★★☆☆
このアルバムの白眉かもしれませんね。曲もキャッチーであり、メンバーも楽しそうに演奏している姿が思い浮かびます。しかしながら、この曲に限って言えばカーペンターズバージョンの方が好きですね。
8,Roll Over Beethoven★★★☆☆
ジョージがリードボーカルの、チャックベリーのカバー。軽快ですね。
9,Hold Me Tight★★★☆☆
前作のレコーディングですでに演奏されていたものがこちらに収録。耳が慣れちゃったからなのか、確かに前作の雰囲気にはそぐわない曲の気もします。のちの「Wait」の明るいバージョンという感じもしますな。
10,You Really Got A Hold On Me★★★☆☆
珍しくジョンとジョージのダブルボーカルということですが、正直あんまわかんないな(笑)全然詳しくないけど、なんとなくもろモータウンて感じの曲。
11,I Wanna Be Your Man / 彼氏になりたい★★★☆☆
お、来た来たリンゴボーカル曲!ストーンズにちゃちゃっと書いてあげちゃったり、リンゴに歌わせたり、なにかと扱いが雑な曲(笑)さすがにちょっとタイトルもストレートすぎるし邦題もイケてないし、雑なのもしょーがないか
12,Devil In Her Heart★★★★☆
もうこれ、ホント大好きな曲ですね。
洋楽縛りのCD作った時も、ビートルズ代表としてこの曲入れたくらい(カバー曲ですけどね…)ジョージをボーカルにしたのが大正解!ジョンでもポールでもないね、この曲は。ジョンの細い声が、この曲の優しい味わいを引き出しています。カバー元のドネイズが全然有名じゃないってとこも良い。オリジナル聴いたことあるけど、そっちバージョンもなかなか良かった。ジョージのおかげで後世に残り、僕も聴くことができました。ジョージありがとう。
13,Not A Second Time★★★☆☆
この曲と次の「Money 」にはジョージマーティンのピアノプレイが挿入されています。マーティンのプレイは勘所を押さえて楽曲の邪魔をしない、それでいて印象的。さすが名音楽プロデューサー!曲全体をわかってるからできることなんでしょうね。イントロがほぼないというのもこの曲に合っています。14,Money(That's what I want)★★★☆☆
「Not a〜」以上にピアノフレーズが印象的。この曲のオリジナル、バレット=ストロングバージョンを記事を書く前に初めて聴きましたが、「なるほど!」と思いました。まさに、ビートルズが料理したらこうなった、というお手本のような曲。どちらが良い悪いというのではなく、同じ曲がこうも表情を変えるのだなぁ、と感心しました。ジョンも風邪をひいておらずいい感じの歌声です(笑)
オススメ曲
Devil In Her Heart (Remastered 2009)
Devil in her heart
このアルバムでいくと、もうこれ一択です。知らない人はぜひ聴いて下さい。結果「なんや、たわいもない曲やな」と思われても、それはそれで良い。知って聴いてもらえれば、それだけで僕は嬉しいです。